熊本でスナック・キャバクラが午前1時まで営業できる地域と、1時まで延ばせる日(お盆・お祭り)

「うちは熊本市中央区だから、1時まで営業していいんですよね」「お盆やお祭りの日は、1時まで開けてもいいと聞きました。どの日ですか」

スナックやキャバクラなど、接待のあるお店を営む方から、よくいただくご質問です。接待のあるお店(風俗営業1号)は、夜中の営業時間に決まりがあり、熊本では「どこで」「いつ」なら午前1時まで営業できるかが、条例と公安委員会規則で細かく決められています。

結論から書きます。接待のあるお店は、原則として午前0時までしか営業できません。 毎日午前1時まで営業できるのは、熊本市中央区の下通一丁目・二丁目、新市街と、中央街・花畑町・手取本町・安政町の決められた番、八代市の本町一丁目・袋町の決められた番だけです。熊本市中央区でも、この区域の外は午前0時までです。そのほかに、7月14日〜16日、8月14日〜16日、12月20日〜翌年1月8日は県内のどこでも午前1時まで、火の国まつりや牛深ハイヤ祭りなど26の行事の翌日は、その市町で午前1時まで営業できます。

当事務所の代表は元熊本県警察官(22年)で、警察官時代に風営法の許可の受付・調査に携わりました。この記事では、熊本で午前1時まで営業できる区域を番まで地図に示し、延ばせる日を条例と規則の原文どおりに並べます。お店を出せる場所(用途地域や学校からの距離)は別の決まりで、この記事では営業時間だけを扱います。

この記事のポイント

  • 風俗営業は、午前0時から6時までは営業できません。条例に特別の定めがあるときだけ、決められた地域・日に限って、条例で定める時刻まで営業できます(風営法第13条第1項)
  • 熊本県では、その時刻は午前1時です(熊本県風営法施行条例 第4条第1項)
  • 毎日午前1時まで営業できるのは、条例第4条第3項の区域(熊本市中央区と八代市の一部)にある接待飲食等営業(1号〜3号。接待のあるお店など)とまあじゃん屋だけです
  • 7月14日〜16日、8月14日〜16日、12月20日〜翌年1月8日は、県内の全地域で午前1時まで営業できます(同条例 第4条第2項第1号〜第3号)
  • 熊本県公安委員会規則で決めた26の行事の翌日は、その行事の市町で午前1時まで営業できます(同条例 第4条第2項第4号、規則)
  • 午前0時を過ぎて営業するときは、客が周りに迷惑をかけないための措置と、苦情の処理の帳簿が要ります(風営法第13条第3項・第4項)
  • パチンコ店は午後11時まで、ゲームセンターも毎日午前1時までの区域の扱いはありません

原則:接待のあるお店は午前0時まで

原則:接待のあるお店は午前0時まで(説明の図)

風営法は、風俗営業者は「深夜(午前零時から午前六時までの時間をいう。)においては、その営業を営んではならない」としています(第13条第1項)。スナック・キャバクラ・ホストクラブ・ラウンジなど、接待をするお店の許可(1号営業)も、この風俗営業です。

ただし、同じ条のただし書きで、都道府県の条例に特別の定めがある場合は、次の2つに限り、午前0時を過ぎて条例で定める時刻まで営業できるとしています。

  1. 習俗的行事その他の特別な事情のある日として条例で定める日に、その事情のある地域として条例で定める地域で(第13条第1項第1号)
  2. それ以外の日に、午前0時以後も営業することが許される特別な事情のある地域として、政令の基準に従い条例で定める地域で(同項第2号)

熊本県の条例は、この時刻を午前1時と決めています(第4条第1項)。つまり熊本では、どんなに延びても午前1時までです。午前1時を過ぎての営業が認められる地域・日はありません。

営業時間の決まりを破ったときは、公安委員会の指示(風営法第25条)、営業の停止や許可の取消し(第26条)の対象になります。当事務所が見てきた範囲では、警察の立入りで営業時間はよく見られるところです。

毎日午前1時まで営業できる区域(熊本市中央区・八代市)

毎日午前1時まで営業できる区域(熊本市中央区・八代市)(説明の図)

条例第4条第3項は、接待飲食等営業(1号から3号)とまあじゃん屋について、毎日午前0時以後も営業できる地域を、次の区域と決めています。原文どおりに並べます。

熊本市中央区(第4条第3項第1号)

町名毎日1時まで営業できる番入らない番(位置参照情報にある番)
下通一丁目全部なし
下通二丁目全部なし
新市街1番から13番までなし(新市街は1番から13番まで)
中央街1番、2番、4番から12番まで3番
花畑町9番から13番まで1番から7番まで(8番は位置参照情報に無い)
手取本町2番から8番まで1番
安政町1番から3番まで、5番から7番まで4番、8番
熊本市中央区で風俗営業1号が毎日午前1時まで営業できる区域の地図(目安)

地図のオレンジ色が、毎日午前1時まで営業できる区域の目安です。灰色は、同じ町でも条例に番が書かれていないところです。花畑町は1番から7番(8番は位置参照情報に無いので地図にも出ていません)、手取本町は1番、中央街は3番、安政町は4番と8番が灰色です。オレンジの中の細い濃い線が町の境なので、番号がどの町の番かは線で見分けます。

上通町、水道町、辛島町、桜町、練兵町など、周りの町は区域に入っていません。熊本市中央区にあっても、この区域の外のお店は午前0時までです。

八代市(第4条第3項第2号)

町名毎日1時まで営業できる番入らない番(位置参照情報にある番)
本町一丁目1番から7番まで、10番から12番まで、13番(熊本県公安委員会が指定する区域を除く)8番、9番(13番の一部)
袋町3番、4番1番、2番、5番、6番
八代市で風俗営業1号が毎日午前1時まで営業できる区域の地図(目安)

八代市本町一丁目の13番は、「熊本県公安委員会が指定する区域」が除かれています。地図では13番を斜線にしています。どこが除かれているかは条例の本文には書かれていないので、13番の物件は、番だけで判断しないようにします。

地図の見方の注意

地図は目安です。区域は、条例の町名と番で決まります。番の境目は、国土交通省の「街区レベル位置参照情報」の番ごとの代表点と、道路の線から推定して描いたもので、建物1つ1つの境までは表していません。地図の番は住居表示の番(「◯番◯号」の「◯番」)です。番の境に近い物件は、住居表示の番で確かめます。登記簿の地番は住居表示の番とは別の番号で、合わないことがあるので、地番で判断しないようにします。

午前1時まで延ばせる日

午前1時まで延ばせる日(説明の図)

区域の外のお店でも、次の日は午前1時まで営業できます。

県内の全地域で延ばせる日(条例第4条第2項第1号〜第3号)

日地域
7月14日から7月16日まで県内の全地域
8月14日から8月16日まで県内の全地域
12月20日から翌年の1月8日まで県内の全地域

条例が決めているのは「日」で、その日の午前0時から午前1時までが延ばせる時間、という形です。7月14日を例にとると、7月13日の夜から続けて営業し、7月14日の午前1時まで、という読み方になります。最終日も同じで、7月16日の午前1時までです。年末年始なら、12月19日の夜から12月20日の午前1時までが最初です。条例第5条第1項も、パチンコ店が営業できない時間を「午後11時から翌日の午前0時前(当該翌日が前条第2項各号に掲げる特別な事情のある日のいずれかに該当する場合における当該特別な事情のある地域については、午前1時まで)」と、特別な日の前の晩の続きとして書いています。

行事の翌日に、その市町で延ばせる日(条例第4条第2項第4号・公安委員会規則)

条例第4条第2項第4号は、このほかに熊本県公安委員会規則で定める日と地域を加えています。規則は、「別表の左欄に掲げる習俗的行事その他の特別な事情がある日の翌日」に、「当該特別な事情に係る同表の右欄に掲げる地域」で午前1時まで営業できる、としています(熊本県公安委員会規則(平成11年公安委員会規則第2号)第1号)。規則の別表に載っている行事は次の26です。

行事地域
本妙寺頓写会熊本市
火の国まつり熊本市
藤崎八旙宮例大祭熊本市
玉名大俵まつり玉名市
和水町古墳祭和水町
四山神社大祭荒尾市
山鹿さくら湯開湯まつり山鹿市
山鹿灯籠まつり山鹿市
菊池夏まつり菊池市
菊池神社秋祭り菊池市
大津地蔵祭大津町
大阿蘇火の山まつり阿蘇市
風鎮祭高森町
八朔祭山都町
うと地蔵まつり宇土市
氷室祭八代市
八代くま川祭り八代市
やつしろ全国花火競技大会八代市
八代妙見祭八代市
恋龍祭水俣市
日本百名城 人吉お城まつり人吉市
青井阿蘇神社例大祭おくんち祭人吉市
恵比須神社秋季大祭多良木町
天草ほんどハイヤ祭り天草市
牛深ハイヤ祭り天草市
天草五橋祭上天草市

気をつけるところが3つあります。

  1. 延ばせるのは「行事の日の翌日」です。 翌日の午前0時から1時まで、という形なので、行事のある日の夜を、そのまま午前1時まで続けられる、という読み方になります
  2. 規則には行事の日付が書かれていません。 日付は年によって変わるので、その年の開催日で数えます
  3. 地域は行事の市町だけです。 火の国まつりの翌日に延ばせるのは熊本市のお店で、隣の市町のお店は延ばせません。牛深ハイヤ祭りは天草市です

このほか、規則は「特別な事情のある日として熊本県公安委員会が指定する日」に「熊本県公安委員会が指定する地域」でも延ばせるとしています(同規則 第2号)。

午前0時を過ぎて営業するときに要ること

午前0時を過ぎて営業するときに要ること(説明の図)

区域の中のお店も、延ばせる日に営業するお店も、午前0時から午前1時まで営業するときは、次のことが要ります(風営法第13条第3項・第4項)。

  • 客が周りに迷惑をかけないための措置:周りに迷惑をかけないよう求める書面を見やすい場所に貼るか客に渡す、口頭や音声で知らせる、泥酔した客にお酒を出さない、お店の中と周りを定期的に見回る、迷惑をかけている客にやめるよう求める。従業員にこの措置の教育もします(施行規則第27条)
  • 苦情の処理に関する帳簿:営業所ごとに備え、苦情を申し出た人の氏名と連絡先・苦情の内容、原因を調べた結果、弁明の内容、改善の措置、担当した人を書きます。最後に書いた日から3年間保存します(施行規則第28条)

帳簿は営業所ごとに備え付けるものです。午前0時を過ぎて営業を始める前に用意しておきます。

パチンコ店・ゲームセンターはどうなるか

パチンコ店・ゲームセンターはどうなるか(説明の図)

同じ風俗営業でも、パチンコ店とゲームセンターは扱いが違います。

営業熊本での営業時間
接待飲食等営業(1号〜3号。接待のあるお店など)・まあじゃん屋原則午前0時まで。第4条第3項の区域は毎日午前1時まで。お盆・年末年始・行事の翌日は1時まで
パチンコ店など(まあじゃん屋を除く4号)午前6時後午前10時までと、午後11時から午前0時前は営業できない。お盆・年末年始・行事の翌日も、午前0時から1時までは営業できない(条例第5条第1項)
ゲームセンターなど(5号)毎日午前1時までの区域の扱いはない(第4条第3項は接待飲食等営業とまあじゃん屋だけ)。お盆・年末年始は県内の全地域で1時まで。行事の翌日は、その行事の市町のお店だけ1時まで(条例第4条第2項第4号・第5条第2項)

パチンコ店は、深夜の決まりとあわせて、午前10時から午後11時までが営業できる時間になります。

深夜にお酒を出すお店とは、どう違うか

深夜にお酒を出すお店とは、どう違うか(説明の図)

接待をしないで、午前0時を過ぎてお酒を出すお店(深夜酒類提供飲食店営業)は、警察への届出の営業で、風俗営業のような「午前0時まで」「午前1時まで」の決まりはありません。そのかわり、熊本では住居系の用途地域8種類では深夜にこの営業ができません(熊本県風営法施行条例 第12条)。

接待のあるお店が、閉店の時刻のあとに同じ場所で深夜酒類のお店として続けるには、接待のお店の営業を完全に断つことが要ります(解釈運用基準 第17の2①)。午前0時や午前1時に看板を変えるだけでは続けられません。断ち方は、お店の形によって変わるので、ご相談ください。

よくある勘違い

よくある勘違い(説明の図)

当事務所が見てきた中で、よくある勘違いを挙げます。

「熊本の繁華街なら、どこでも1時まで」

毎日1時まで営業できるのは、熊本市中央区の下通・新市街などと、八代市の本町一丁目・袋町の決められた番だけです。熊本市でも上通や他の区、八代市でも区域の外、ほかの市町村のお店は、毎日の営業は午前0時までです。当事務所の経験では、地方の接待のあるお店が、区域の外なのに毎日1時まで営業している、という話を聞くことがあります。延ばせる日の決まりを除けば、これは営業時間の違反です。

「同じ町なら、みんな同じ」

条例は「番」まで決めています。花畑町・手取本町・安政町・中央街は、同じ町でも入る番と入らない番があります。隣のお店が1時まで営業しているからといって、自分のお店も同じとは限りません。

「お盆は7月か8月のどちらか」

条例は、7月14日から16日までと、8月14日から16日までの両方を決めています。どちらも県内の全地域です。

「お祭りの日なら県内どこでも」

行事の翌日に延ばせるのは、規則の表で決められた市町だけです。

「営業時間はラストと書いておけばよい」

当事務所の経験では、申請書に営業時間を「ラスト」と書くと、調査で直すよう言われます。料金表と営業時間の書き方は「熊本の風俗営業の料金表に「時価」「ASK」「◯円から」は書ける?」で説明しています。

よくある質問

区域の中のお店なら、午前1時を過ぎても、片付けをしている間なら客がいてもいいですか

午前1時を過ぎて客に飲食をさせたり接待をしたりすれば、営業を続けていると見られます。当事務所では、客を帰らせる時間まで入れて閉店の時刻を決めるようお伝えしています。

12月31日の夜は、何時まで営業できますか

12月20日から翌年の1月8日までは、県内の全地域で午前1時まで営業できる日です。12月31日の夜から1月1日の午前1時まで、という形になります。

八代市本町一丁目13番の物件は、1時まで営業できますか

13番は、「熊本県公安委員会が指定する区域」が除かれています。指定された区域は条例の本文に書かれていないので、13番の物件は、指定の中身を確かめてから決めます。

区域の中で、深夜にDJを入れて営業を続けられますか

接待のお店のままでは、午前1時を過ぎて営業を続けられません。深夜にお店の側から客を遊ばせ、お酒を出す営業は、特定遊興飲食店営業の許可が要ります。同じ営業所で風俗営業の許可と重ねて受けることもでき、その場合は接待のお店の営業を完全に終えてから、特定遊興飲食店営業として営業する形になります(解釈運用基準 第12の1(4))。熊本では、その許可を受けられるのも、この記事の区域(から病院などの周り50メートルを除いたところ。ホテルの中の一部の営業所を除く)だけです。くわしくは「熊本でクラブ・DJバー・スポーツバーを深夜に開くなら、特定遊興飲食店営業の許可が要る?」で説明しています。

出典・参考

まとめ

  • 接待のあるお店は、原則として午前0時までしか営業できません。熊本で延ばせるのは午前1時までです
  • 毎日午前1時まで営業できるのは、熊本市中央区の下通一丁目・二丁目・新市街と、中央街・花畑町・手取本町・安政町の決められた番、八代市の本町一丁目・袋町の決められた番だけです
  • 7月14〜16日、8月14〜16日、12月20日〜1月8日は、県内のどこでも午前1時まで営業できます
  • 公安委員会規則の26の行事の翌日は、その行事の市町で午前1時まで営業できます
  • 午前0時を過ぎて営業するときは、迷惑防止の措置と苦情の処理の帳簿が要ります

営業時間と区域の確認は、当事務所にご相談ください

湯上行政書士事務所は、元熊本県警察官(22年)の行政書士が、熊本で風俗営業の許可と深夜酒類提供飲食店営業の届出をお手伝いしている事務所です。

  • 物件の住所から、毎日午前1時まで営業できる区域に入るかを、番まで確かめます
  • 申請書とお店の表示に書く営業時間を、条例に合わせて整えます
  • 午前0時を過ぎて営業するお店の、迷惑防止の掲示と苦情の処理の帳簿の用意をお手伝いします

お問い合わせ / 事務所概要

あわせて読みたい

風俗営業許可
湯上行政書士事務所|熊本県の風俗営業許可ならお任せ下さい!(パチンコ・スナック等)実績があります!
電話で相談096-340-1855お問い合わせフォームは24時間受付