照明と調光スイッチ――熊本の風俗営業1号は5ルクス、深夜の飲食店は20ルクス

「お店の雰囲気を出したいので、照明を暗めにして、調光のスイッチも付けたいのですが、許可は大丈夫でしょうか」

スナックやキャバクラなど、接待のあるお店(風俗営業の1号営業)を開く方から、内装の打ち合わせのときによくいただくご質問です。照明は、お店の雰囲気を決める大事なところです。一方で、風営法では明るさに数字の決まりがあり、実地調査では調光のスイッチがとくに見られます。

結論から書きます。1号のお店は、営業中の明るさを5ルクス以下にしてはいけません。深夜(0時から6時)に営業する飲食店は20ルクス以下にしてはいけません。 明るさは客席のテーブルの上などで測ります。そして、基準より暗く自由に下げられる調光器(スライダックス)は付けられない、というのが原文の考え方です。いちばん暗くしても基準の数値以下にならない調光の扱いは、時期と調査の担当によって見方が変わってきたところなので、図面の段階で決めておくことが大切です。

当事務所の代表は元熊本県警察官(22年)で、警察官時代に風営法の許可の受付・調査に携わりました。この記事では、原文の基準と、実地調査で照明のどこが見られるかを説明します。

この記事のポイント

  • 1号(接待のあるお店)の明るさの基準は5ルクスです。営業中にこれ以下にしてはいけません(風営法第14条、施行規則第31条)
  • 深夜(0時から6時)に営業する飲食店は20ルクスです(第32条第2項、施行規則第101条)
  • 明るさは、客席にテーブルがあればテーブルの上面と、その高さでお客様が普通に使う部分で測ります(施行規則第30条・第100条)
  • 基準より暗く自由に変えられるスライダックスなどの照明設備は設けられません(解釈運用基準 第12の8(3))
  • 照明の配置図は、明るさの基準を満たすことを示すための図面です。調査の日までに照明を足したり替えたりしないことが大切です

明るさの数字:5ルクスと20ルクス

明るさの数字:5ルクスと20ルクス(説明の図)

風営法は、風俗営業者は、国家公安委員会規則で定める方法で測った営業所内の明るさを、営業の種類ごとに決めた数値以下にして営業してはならないとしています(第14条)。その数値は次のとおりです(施行規則第31条)。

営業の種類この数値以下にしてはいけない明るさ
1号(接待をして飲食などをさせるお店)5ルクス
2号(10ルクス以下で営む喫茶店・バーなど)5ルクス
3号〜5号(区画席飲食店・マージャン店・パチンコ店・ゲームセンターなど)10ルクス
深夜(0時〜6時)に営業する飲食店20ルクス

深夜に営業する飲食店の20ルクスは、第14条を「深夜における営業」に読み替えて準用する決まりです(第32条第2項、施行規則第101条)。深夜にお酒を出すお店(深夜酒類提供飲食店営業)は、この20ルクスの基準を満たしたうえで届け出ます。

1号のお店は、営業の時間に明るさを保つだけでなく、5ルクス以下にならないように保てる構造または設備を持っていることが、許可の基準になっています(施行規則第7条)。調査で照明が見られるのは、このためです。

なお、接待をしないお店でも、明るさを10ルクス以下にして営業すると、低照度飲食店営業(風俗営業の2号)として許可が要ります(第2条第1項第2号)。

明るさはどこで測るか

明るさはどこで測るか(説明の図)

明るさを測る場所は、施行規則で決まっています(1号は第30条、深夜の飲食店は第100条。どちらも水平な面で測ります)。

  • 客席にテーブルなど飲食物を置く設備があるお店:その上面と、その高さでお客様が普通に使う部分
  • テーブルが無いお店で、椅子がある客席:椅子の座面と、その高さでお客様が普通に使う部分
  • 椅子が無い客席:お客様が普通に使う場所の床面(畳などが敷いてあればその表面)

つまり、天井の照明の真下ではなく、お客様の手元の高さで測ります。客席ごとにテーブルの上の明るさが違うお店では、いちばん暗い席がどうなるかが問題になります。間接照明だけで暗くなりがちな奥の席や、照明から離れた席を基準にして、照明の位置と数を考えておくと安心です。

また、警察庁の解釈運用基準は、照明のほかに、営業中いつも光っていることが想定される設備がある場合は、その設備と照明の両方の光で、いつも基準の明るさに達していれば、必要な構造・設備を持っていることになるとしています(第12の8(3))。

調光スイッチは付けられるか

調光スイッチは付けられるか(説明の図)

ここが、照明でいちばん見られるところです。

警察庁の解釈運用基準は、明るさの基準を満たす構造・設備とは、一般的には、基準に達する照明設備を設けていることで足りる、としています。そのうえで、一部の例外の客室を除いて、明るさを測る場所の照度を、基準に満たない明るさに自由に変えられるスライダックス等の照明設備を設けることは認められないとしています(第12の8(3))。

熊本県警のお知らせも同じ考え方です(生活環境課ニュース 令和2年2月 3(3))。

原文が認めないとしているのは、基準に満たない明るさに「自由に変えられる」照明設備です。当事務所は、いちばん暗くしても5ルクス以下にならない(5ルクスを超える明るさが残る)調光なら、この書き方には当たらないと読んでいます。ただ、下限のある調光を認めると書いた原文はありません。また、ここは調査の現場で見方が変わってきたところです。当事務所が見てきた範囲では、以前は、調光のスイッチが付いていれば、それだけで認められない時期がありました。 ここ数年は、下げても一定より暗くならない構造であれば認められる扱いを見ています。調査の担当によって見方が違うこともあるので、言い切れるところではありません。

調光を付けたいなら、次のようにしておくと安心です。

  • いちばん暗くしても5ルクス以下にならない仕組みにする(深夜に営業するお店は20ルクス以下にならない仕組み)
  • それがどういう仕組みかを、調査の日に説明できるようにしておく
  • 迷うなら、調光は付けずに、点ける照明の数で明るさを変える造りにする

照明の配置図で見られること

照明の配置図で見られること(説明の図)

熊本県警の平面図の記載例には、照明と音響の配置図があります。明るさと騒音・振動の基準を満たすことを示す図面なので、配置を正確に書くよう求められています(生活環境課ニュース 5(4))。

当事務所が見てきた範囲では、調査で見られるのは、照明のだいたいの位置と数が配置図と合っているか、調光が付いているかどうかです。電球のワット数まで一つずつ見られることはあまりありません。

ただ、申請のあと調査の日までに照明を足していた、ということはちょくちょくあり、そうなると調査で図面どおりではないと見られます。当事務所では、調査の日まで、照明は申請したときのままにしておくようお願いしています。

許可のあとに照明を変えたら

許可のあとに照明を変えたら(説明の図)

許可のあとも、風俗営業者は、お店の構造と設備を基準に合うように保たなければなりません(第12条)。あとから5ルクス以下まで下げられる調光器に付け替えれば、この決まりに反します。当事務所が見てきた範囲では、許可のあとの警察の立入りでも、調光を付けていないかなど、造りを変えていないかが見られます(「熊本で警察の立入りが来たら何を見られる?風俗営業のお店が日ごろ備えておくこと」)。照明を変える工事をするときは、変える前に、基準を満たす形かどうかを見ておくことが大切です。

よくある質問

バースデーの演出で、一瞬だけ照明を落としてもよいですか

1号のお店は、営業中の明るさを5ルクス以下にしてはいけません(第14条)。警察庁の解釈運用基準には、営業時間の半分未満の時間に限って暗くしても違反に当たらないとする例外の書き方がありますが、それは低照度飲食店営業(2号)の一部の客室についてのもので、1号のお店に向けたものではありません(第17の3)。1号のお店は、演出のときも5ルクス以下にならないことを前提に照明を考えておくのが確実です。

照度計は自分で用意したほうがよいですか

明るさの基準は数字で決まっているので、内装ができたら、テーブルの上など測る場所で一度測っておくと、どの席が暗くなりがちかが分かります。暗い席があれば、申請の前に照明の位置や数を見直せます。

深夜にお酒を出すバーも、調光は付けられませんか

熊本県警は、深夜にお酒を出すお店も、20ルクス以下にすることができるスライダックスは設置できないとしています(生活環境課ニュース 3(3))。考え方は1号のお店と同じで、付けるなら20ルクス以下にならない仕組みにしておきます。

出典・参考

まとめ

  • 1号のお店は5ルクス、深夜に営業する飲食店は20ルクス以下にしてはいけません
  • 明るさは、テーブルの上面など、お客様の手元の高さで測ります。いちばん暗い席を基準に考えます
  • 基準より暗く自由に下げられるスライダックスなどは付けられません
  • 下限のある調光の扱いは、時期と調査の担当で見方が変わってきたところです。付けるなら、いちばん暗くしても基準の数値以下にならない仕組みにします
  • 調査の日まで、照明は申請したときのままにしておきます

照明の計画から、当事務所にご相談ください

湯上行政書士事務所は、元熊本県警察官(22年)の行政書士が、熊本で風俗営業の許可と深夜酒類提供飲食店営業の届出をお手伝いしている事務所です。

  • 内装の段階で、照明の位置と数、調光の付け方を一緒に見ます
  • 熊本県警の記載例に沿って、照明と音響の配置図を作ります
  • 調査の前に、照明で引っかかりそうなところをお伝えします

お問い合わせ / 事務所概要

あわせて読みたい

風俗営業許可
湯上行政書士事務所|熊本県の風俗営業許可ならお任せ下さい!(パチンコ・スナック等)実績があります!
電話で相談096-340-1855お問い合わせフォームは24時間受付